評価シートのコメント欄が「特になし」や数行の抽象的な記述で終わっているケースは多い。評価者の文章力の問題として扱われがちだが、実際には評価者自身が「何を書けばいいのか分からない」状態に置かれていることが多い。
評価者がコメントを書けない本当の理由
- 評価期間中の部下の行動を記録していないため、評価時点で具体的な事実を思い出せない
- 評価コメントに何を求められているのか(事実・解釈・今後の期待のどれか)が明確になっていない
- 良くない評価をつけた場合、その理由を書くと後で本人やほかの関係者から反論されることを懸念している
- 評価者自身が、自分の評価コメントが人事や上位者にどう見られるか分からず防御的になる
「書く力」の前に「書く材料」が足りていない
コメントが書けない問題を文章研修で解決しようとする会社もあるが、多くの場合は評価期間中の記録が残っていないことが根本的な原因である。書く力を高める前に、書くための材料を残す仕組みを整える方が効果的なことが多い。
記録を残す仕組みの作り方
1on1や定例の場で気づいたことを短くメモする習慣を作るだけで、評価時点で参照できる材料が増える。完璧な記録を求めるのではなく、断片的でもタイミングを逃さずに残すことを優先する設計が現実的である。
評価コメントの「目的」を共有しておく
評価コメントが誰のために、何のために書かれるものかを評価者に共有しておくことも重要である。本人へのフィードバックなのか、人事の記録としての位置づけなのかが曖昧だと、評価者は無難な表現に逃げやすくなる。
本記事は一般的な評価制度運用の傾向に基づく整理であり、特定の企業や個人を指すものではありません。制度設計・運用の見直しにあたっては、社内の実態を踏まえた検討をおすすめします。


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