等級制度を整備し、各等級の定義書も用意している会社で、いざ従業員から「なぜ今回この昇給額なのか」と聞かれると、説明に窮するケースは少なくない。等級制度はあっても、それと昇給ルールの結びつきが曖昧なまま運用されていることが多い。
等級制度と昇給ルールは別物として作られがちである
- 等級定義は「役割・期待水準」を言語化したものであり、昇給額の算出方法までは定めていない
- 昇給は評価結果や予算状況をもとに、その都度の判断で決められている
- 等級が上がった場合の昇給幅にルールがなく、過去の事例を参考に決めている
- 同じ等級内でも昇給額の差が説明できない
説明できないことが従業員に与える影響
昇給の根拠を説明できない状態が続くと、従業員は「頑張っても評価や昇給に反映されるかは分からない」という感覚を持つようになる。これは制度そのものの問題というより、等級と昇給の接続部分が設計されていないことに起因している。
等級と昇給をつなぐために必要な設計
等級ごとに昇給のレンジ(最小・最大)を定め、評価結果との対応関係を明文化することで、昇給額の根拠を説明できるようになる。レンジ内でどの位置に着地するかの基準まで決めておくと、毎回の判断にぶれが生じにくくなる。
運用開始後に見直すポイント
ルールを定めた後も、実際の昇給結果がルールどおりに運用されているかを定期的に確認する必要がある。例外運用が積み重なると、ルール自体への信頼が失われていくため、例外を作る場合は理由を記録しておくことが望ましい。
本記事は一般的な等級・昇給制度運用の傾向に基づく整理であり、特定の企業や個人を指すものではありません。制度設計にあたっては、社内の実態を踏まえた検討をおすすめします。


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