前回は、リモート面接が増えて人物像が分からないまま採用が進む会社の問題について整理しました。画面越しのやり取りだけでは候補者の人物像が掴みづらく、対面面接と同じ評価項目をそのまま当てはめても精度が落ちてしまいます。今回は、リモートと対面それぞれの面接形式に合わせた評価項目シートを取り上げます。
リモート面接は移動の手間がなく選考のスピードを上げられる一方、声のトーンや雰囲気といった非言語情報が伝わりにくいという特性があります。この特性を踏まえずに対面と同じ評価軸を使うと、評価のばらつきが大きくなります。
評価項目シートに含める項目
- リモート・対面共通で確認すべき経験・スキルの項目
- リモート面接ならではの確認ポイント(発言の具体性、画面越しでも伝わる説明力など)
- 対面面接ならではの確認ポイント(所作、雰囲気、対人での反応速度など)
- 面接形式による評価のばらつきが出た場合の補足確認欄
運用でよくある3つの失敗
① リモートと対面で同じ評価シートを使っている
面接形式の違いを考慮せず同一の評価項目を使うため、本来確認したい情報が拾えていないことに気づかないまま選考が進みます。
② リモート特有の「伝わりにくさ」を評価に直結させてしまう
通信環境や画面越しの緊張で本来の力を出せなかった候補者を、そのまま低く評価してしまうケースです。
③ 評価項目が面接官の感覚に依存している
「リモートだと印象が薄い」といった漠然とした感覚で評価され、具体的な根拠が記録に残りません。
会社側にとってのリスク
- 面接形式の違いによって本来採用できたはずの候補者を見送ってしまう
- 評価の根拠が記録に残らず、選考の説明責任が果たせない
- 面接官ごとに評価基準が異なり、選考の公平性が損なわれる
機能させるためにできること
- リモート・対面それぞれに適した評価項目を事前に整理しておく
- 通信環境などの外的要因による影響を評価から切り分ける
- 評価の根拠を具体的な発言・行動の記録として残す
今すぐ使えるツール
面接官・人事それぞれができること
面接官側から考えられるアクション
- 面接形式に応じた評価項目を事前に確認しておく
- 通信トラブルなど外的要因があった場合は評価コメントに明記する
人事側から考えられること
- 面接形式別の評価項目シートを整備し、面接官に事前共有する
- リモート・対面で評価が大きく分かれた候補者については個別に確認する
さいごに
リモート面接と対面面接は、それぞれ得られる情報の質が異なります。評価項目シートを面接形式に合わせて使い分けることで、形式の違いによる見送りや評価のばらつきを防ぐことができます。
この記事は実務上の一般的な傾向や論点を整理したものであり、個別の法的判断ではありません。具体的な対応については社会保険労務士・弁護士等の専門家にご確認ください。
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